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能動的想像法 — 内なる魂との対話 J.M. シュピーゲルマン


ユング心理学ではこころの問題を解決するためや個性化過程の手がかりとして「夢」の解釈を大事にしますが、能動的想像法は夢に出てきた人物や浮かんできたイメージを無意識の自律性に任せて展開、観察、記録して、どちらかといえば受動的な「夢」に対して、積極的に無意識との対話を行おうというものです。

読んで感じたことは、夢や能動的想像法によって神話的な元型に触れることにより、個人の神話を作り上げ、それを生きていくことが内的成長に繋がるのかなということです。ただ、これらユング派の書物は西洋的自我の確立を前提として書かれているので、その部分を東洋的に解釈しなおしてくださった河合隼雄さんのお仕事は、これらに触れようとする日本人にとってとてもありがたいものです。

後半に著者が能動的想像法により創作した物語が収められていますが、神の乱心のテーマは「ヨブへの答え」を思い起こさせます。しかし、「ヨブへの答え」は、訳分からなくて半分しか読んでないので、これを機にきちんと最後まで読むよう努力したいです…

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河合隼雄著 母性社会日本の病理

「母性」について一般的にはよいイメージがあるのだと思います。産み育てる、受容、慈しむなどのように。しかし何事にもプラスとマイナスの面があるように「母性」にも飲み込む、奪いつくす、しがみつくなどの悪い面があります。

筆者は日本を母性原理に基づく社会だとし、近代における父性社会である西洋とのかかわりでその表面だけを取り込むことによる歪み、自立を促されない社会の問題を鋭く分析しています。

私は現総理大臣とその奥さんを見たときにこの総理大臣が自立できていないマザーコンプレックスを持った人ではないかと思っていたら、新聞の雑誌の広告にユングの本の翻訳で有名な林道義さんが同じ様なことを書かれていた見出しがあったので、喜んだことがありました。

本書の出版は1976年であり、そこから日本人の心性は進歩どころか退歩していることからも、また、生活や情報が国内の狭い範囲だけですまなくなってきた今、「自立」「母性」「プエルエテルヌス(永遠の少年)」などについて日本人はもっと真剣に考えるべきなのではないでしょうか。
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フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略 クリス・アンダーソン著

エプソン製のプリンターのインクがなくなったので交換するためにネット上で調べてて驚いたのが、互換インクが純正インクの3分の1ぐらいであったことです。以前に容器は純正のものでインクを入れなおしたというものもありましたが、値段は純正に較べて1000円ほど安いだけだったので、少しの間にえらいことになってるんだなと思い、そして同時にプリンターを安く提供してインク代で稼ぐというビジネスモデルが3分の1の値段のインクが出回ることで崩壊するのではと思ったのです。

このエプソンのモデルも本書で語られているフリー(無料)のモデルの一つであり、また他にも多くのフリーを土台にしたビジネスについてこの中で解説されています。

「競争市場では、価格は限界費用まで落ちる」

ユニクロを思い浮かべると分かりやすいのでしょうが、他者を打ち負かすために価格は限りなく原価近くまで下がっていくということです。これがほとんど費用の計算できないデジタルの世界で無料に向かうことは必然であり、流れを堰きとめようとすることは万有引力の法則に反して浮かび上がろうとするようなもののようで、これからも様々なバリエーションで進んでいくであろうということのようです。

今起こっているフリーを元にしたところの経済の流れを知りたい方には是非ともお薦めの本ではないでしょうか。

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明恵 夢を生きる 河合隼雄著

自分の夢だけではなく、他の人の夢も面白くとても興味があります。人の好みや趣味などはよほど自分のものと一致しなければ共感することは難しいでしょうが、夢に関しては無意識の共通性から例えどんな夢にせよ自分のもののように感じることも可能なわけです。人の夢について考える作業は、実は自分の夢について考える作業でもあります。

この本は鎌倉時代の名僧が生涯にわたって書き残した夢を元に、その内容の変化と個性化の過程について書かれたものですが、驚かされるのは、明恵自身の夢の解釈の的確さとバランス感覚の良さではないでしょうか。今でこそ夢の中での象徴がどうなどという解釈は普通のことでしょうが、この当時であれば夢の中で良いことがあれば吉夢であり、人物が出てくればそれはその人についての夢であるなど直接的な解釈が当然であって、その中でも明恵はもっと先にある意味を捉えていたことは明恵が夢を大切なものと考えていたからだと思います。


明恵にとっては、現実に行なう修行も夢も同等の価値あるものであり、彼は経典によって知り得たことや彼の行っている行法と夢とは、密接に関連しあっているものとして受けとめていたのである。(P272)


800年ほど前の人物が書き残した夢とその解釈を読む作業は、実は今の自分の夢を眺めなおす作業でもあります。
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コンプレックス 河合 隼雄

コンプレックスという言葉の意味についてきちんと知りたいと思い読んでみました。「劣等感」と同じ意味としてコンプレックスが使われたりしますが、少し違うのでしょうね。


無意識内の存在して、何らかの感情によって結合されている心的内容の集まりが通常の意識活動を妨害する現象を観察し、前者のような心的内容の集合を、感情によって色づけられた複合体(P14)


これはユングのコンプレックスについての定義です。

「無意識内の存在して」→意識にはっきりと上がっていない。言語化されていない。

「何らかの感情によって」→プラス、マイナスどちらの感情でもいいから伴っている

「結合されている心的内容の集まりが」→複数のの感情が元となった事象により構成されている、

「通常の意識活動を妨害する現象」→なんでもないことを言い間違えるなど、普通の活動に何らかの支障が出る

という風な感じでしょうか。なぜ自分はこんなことをするのだろうかや、行動を制御できないなどがあるとすると、そこにはもしかするとコンプレックスが関わっているのかもしれません。

本書は一般的に誤解されがちなコンプレックスについて「定義・現象・解消の方法・夢との関係・元型との関係」という流れで分かりやすく解説してあり、詳しく知りたい方にはとてもお薦めです。

ところで、ロリータコンプレックスというのは本来的にはどうなるのでしょうか(≧ω≦)
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